事業系ゴミの考え方や対処方法を詳しく解説！

多くの企業・事業者からすると事業所・会社から生じるゴミの扱いは頭を悩ますものとなってきているでしょう。当然ながら一般的な家庭から排出されるゴミとは扱いが異なるものとなってくるため、1から処分方法を調べなければなりません。

昨今は事業活動から排出されるゴミの処分に対してのルール・方向性なども定められてきているなど、以前に比べると処分についての手順や対処の詳細も分かりやすくなってきていますが、これまでに使用してきた物の処分などについては判断が難しい部分も垣間見えています。

そこで今回は事業系ゴミの扱い方や考え方について詳しくまとめてご案内いたします。

事業系ゴミの考え方について

まず、事業系ゴミについては「いつ処分が必要でどう処分を行うか」よりも、「どの時点で購入されたものをどう処分しなければならないのか」に重点をおいて考えて行く必要があります。

その上で、どのような手段で購入したものかが非常に重要になってきます。

① 新たに購入した物

比較的購入した時期が浅く数年以内に購入した物の場合、基本的には購入先のメーカーや販売業者に問い合わせて処分の相談を行うことが適切な対応となってきます。

昨今では、販売・製造した製品を販売元が責任をもって処分を行うというルールが明確に定められてきています。購入から数年以内の物であれば、販売店・メーカーが閉業・倒産しているようなことも無いだろうと考えられるため、比較的容易に処分を進めていくことができるものと考えられます。

しかし、あくまでも近年の明確化されたルールの下で利用できる処分方法となってくるため、古い製品や譲り受けた物の場合には上手く利用できない場合が多いため注意が必要です。

② 譲り受けた物

閉業・倒産した他社より譲り受けたような製品の場合には、処分方法が少し難しくなる場合が考えられます。まず、元々の購入者が自社では無いものとなるため、処分に際してのやり取りが必要となってきてしまう場合が考えられるかもしれません。

販売店・メーカー側で商品の購入に合わせて取引先企業の情報を管理しており、整備・保守などのサポートを行っている場合もあるため、直に購入した物とそうでないものとでは扱いにやや違いが生じるケースも考えられるためです。

場合によっては購入企業に対して段階で無料で引き取り・処分を行っている場合もあるなど、購入時の契約など事情によってもやり取りが変化してくることが考えられます。そのため、最終的に処分が必要な場合でも譲り受けた物である場合には、処分費用が発生するなどの違いが出てしまう可能性もあります。

特に懸念となることとしては、引き取りや処分を依頼する販売店・メーカー側が既に存在していない場合でしょう。このような場合には、個別に処分を考えて行かなければならないため非常に難しい問題となってきます。

③ 非常に古い物の場合

10～20年以上前の古い製品となる場合に問題となるのが、処分方法自体を考えなければならなくなるという点です。古い製品の場合には、昨今のような処分に対してのルールが明確に整備されていなかった事情もあるため、個別に処分を依頼していく必要があるなどの事情が異なってきてしまう場合が多いです。

特に、引き取り・処分を前提とした販売方法が取られていなかったりする事情も考慮しなければならないため、新たに処分を依頼する場合に大きな費用が発生してしまうことも考えられるでしょう。また、販売店・メーカー側が既に存在していない場合も多く見受けられます。経過年月が大きくなれば問い合わせ先が無くなっているという問題も如実に出てきてしまいます。

その為、このような条件の場合にはあらかじめ「処分すること自体が大変」という認識のもと、どうにかして処分を請け負ってもらえる業者を探すなどの努力が必要となってくるでしょう。

処分が難しい場合の有効な対処方法

処分方法が見つけられず難しい場合には、いくつかのポイントを押さえて対処していきましょう。多くの場合、何かしらの手段により処分することが可能になると考えられるため、あらかじめ検討をしておけると良いでしょう。

処分するのではなく譲渡する

まだ十分に使用できるものである場合には、譲渡をすることが非常に有効です。貰い手側からすると最終的に譲渡された物の処分が難しくなるという問題も出てきてしまうかもしれませんが、引き取り費用などの負担を抑えながら処分ができることは非常に魅力的でしょう。

貰い手側からすれば新たに製品を購入をする場合には大きな費用が掛かるため、十分に再利用・活用できる物であれば喜んで譲り受けて貰えるでしょう。もちろん、売却という方法も有効です。

この場合、あらかじめ購入元の販売店・メーカーに対して商品を譲渡した旨を伝達しておくなど、将来的に所有者と販売店・メーカーとでやり取りが可能となるような手筈を整えておくと大きな問題も起きないでしょう。

製造元メーカーに問い合わせる

販売店から購入した物や譲り受けた物、または購入時の情報が不明瞭な物の場合には、製品に記載されているブランドやメーカーなどの記載を確認して、製造元メーカーに問い合わせを行ってみると良いでしょう。

直に購入したものでない場合には処分に際してのサポートやケアの程度は若干変化してきてしまうことが考えられますが、問い合わせる先としては問題は無いため処分についての相談を行ってみましょう。個別に処分費用が掛かってくる場合なども考えられますが、特に大きな問題さえなければ引き取りや処分は可能でしょう。

また、古い製品ともなると販売当初の段階では処分を請け負う義務が無かった条件の物なども出てくることが考えられますが、現行のルールに基づいて処分が進められると考えられるため、問題なく製造元メーカー側に対して処分を依頼することが可能でしょう。

処分についてはどうしても費用が掛かってくることが予想されますが、販売店に問い合わせるか製造元メーカーに問い合わせるかで費用も変化してくる可能性があります。この場合、仲介会社を挟まずに直接メーカーに問い合せた方が処分費用は安くなるかもしれません。

金属製品は買い取ってもらう

大部分に金属が用いられているような工業製品などの場合、素材自体にある程度の価値がある場合が多いです。そのような場合には、金属の買取業者に問い合わせて金属スクラップとして売却を進めましょう。

金属の買取業者に売却をする場合には処分費用は掛からず、売却金額のみを得ることができます。重量が30kg程度の鉄・ステンレス中心の素材で出来ている製品であれば買取価格は1.5万円以上になってきます。

様々な金属素材を対象にkg単位で500～1,000円程度が平均相場となってくるため、売却することで処分が進められるようであれば非常に有効な手段として活用して行けた方が良いでしょう。

自治体や廃棄物処理業者に相談する

ここまでの説明を踏まえて考えた場合、「販売元・製造元メーカーが存在しない」「再利用できない」「処分するしかない」という物がある場合には、自治体・廃棄物処理業者に相談をしてみましょう。

多くの場合、処分したい製品そのままの状態からの処分を検討する場合がほとんどと考えられますが、処分が難しい場合には、処分が進められる状態にするように工夫することも重要です。そのため、場合によっては各素材・電子部品・容器等を別けてそれぞれを個別に事業系ゴミとして処分を進めて行きましょう。

廃棄物処理業者は事業から排出される一部のゴミの処分を受け付けていますが、基本的に事業系ゴミそのものの処分は受け付けていない場合が多いです。しかし、素材ごとに処分を行いたい場合は問題が無い場合が多いため、処分もスムーズに進められるようになるでしょう。

産業廃棄物処理業者については、業者ごとに処分を請け負える物の種類が異なってくるため、自治体に問い合わせるなどして処分品に対応できる業者を選ぶ必要があります。

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その他の注意事項

一般的な種類のゴミについて

オフィス等の事業所から排出される一般的なゴミ(紙くず、弁当の容器、ペットボトルなど)については『事業ゴミ(事業系一般廃棄物)』となるため、家庭ゴミ同様に排出することはできません。

そのため、あらかじめオフィスを構えるビルや物件側で行われている事業系ゴミの収集対応を利用したりする必要があります。または個別に事業系一般廃棄物の収集を定期的に依頼して処分を進める必要があります。

これらのことから分かる通り、会社・企業や事業所から排出されるゴミについては全て事業系ゴミとして扱わなければなりません。

※業務上で使用する業務用品全般は全て事業系ゴミに該当する物となるため注意しましょう。

非事業系製品はできるだけ使用しない

企業・事業所で使用されるデスクや家具などは、事業用に用意された専用品ではない場合が多いです。すると、詳細が分からないようなどこでも買えるような一般的な物にもなってくるため、最終的に地味に扱いが難しいものにもなってきます。

例えばオフィス用のチェアとして非ブランド品の一般用家具を購入したとします。当然ながら、処分時には事業系ゴミとなってきます。しかし、購入店では事業系ゴミの引き取り・回収を行っていない場合もあるでしょう。

このような問題を回避するためにも、事業系ゴミの引き取りや回収に対応している販売店を利用してデスクや家具を購入した方が都合が良いものとなるでしょう。

事業系ゴミの有効な対処方法

出どころの分かる製品しか扱わない

現代では、事業系ゴミの処分を考える場合「処分にお金が掛かること」が問題ではなく、「どう処分できるのか」「スムーズに処分ができるか」が非常に重要となってきています。

根本的に処分ができなくなる物はないと考えられますが、特殊な物ともなると処分が可能な手段を探さなければならないなど思った以上の重労働になってきてしまう可能性も高いです。

このような問題をできるだけ回避する為に、企業・事業所で使用する物品については全て、事業活動で使用することを目的として販売されている製品を使用した方が、後々の処分対応の手間を省くことができるでしょう。処分の際は購入店側に問い合わせて引き取ってもらうだけで済むため非常に楽です。

このような理由から、業務用品はいずれかの専門業者に限定して購入をすることが後々の処分を考えた場合に非常に楽です。

処分の際は不用品回収業者を利用する

意外に有効活用できるものが不用品回収業者に回収してもらうことです。不用品回収業者は産業廃棄物の収集運搬を行える業者が多いため事業系ゴミの回収にも対応している場合が多いです。特殊性の高い製品を除けばほとんどの物を回収してもらうことができるでしょう。

特に魅力的な面としては『処分をお金で解決できる点』が挙げられるでしょう。処分についての複雑なことを考えることなく不要なものを手放すことができるため、最も楽な処分方法でもあります。

しかし、中には不法投棄を行うような悪徳業者も存在している場合も考えられるため、利用をする際には業者の選定に注意が必要になるでしょう。廃棄物関連の適正な許認可を受けている業者であれば大きな問題はありません。

あとがき

事業系ゴミの処分に迷ってしまう物の多くは、購入から時間が経ち過ぎていて問い合せ先がない物や、直に購入をしていない譲り受けた物などが大半でしょう。また、一般的な製品を最終的に事業系ゴミとして処分しなければならない場合も迷う場面が出てきてしまうでしょう。

現代では、事業系ゴミ(業務用品)については「販売先・製造メーカーに問い合わせて回収してもらう」というルールが定められています。そのため、シンプルに購入先に問い合わせて処分を進めるだけとなるため、根本的には事業系ゴミの処分で迷うことはありません。

しかし、実際に購入した物ではない物で詳細が分からないような製品や事業で使用したことにより事業系ゴミの扱いとなってしまう一般製品等については処分方法を考えて行かなければならなくなります。様々な方法で対処していくことが可能ですが、シンプルに処分を進められる手段を選択できた方が気分的にも楽かもしれません。