
ハンディファンの適切な保管方法は?
先日テレビでお昼のワイドショーを見ていたところ、季節の変わり目に関わる様々な物の保管方法について注意喚起がされていました。
その際に気になったこととしてハンディファンの保管方法についての説明に不十分な点がありました。危険性を伴う物の時事ネタとして取り上げられているものと考えられますが、根本的に間違った内容があったため、こちらの記事でも注意喚起ができればと思います。
ハンディファンを安全に適切に保管するためにはどのようなすればよいか気になっている方は参考にしてみて下さい。
こちらも参考に:ハンディファンの捨て方・処分方法7選!火災や爆発の事故に注意
夏の終わりに仕舞う場合
テレビで案内されていた内容としては、「充電を行ってから保管する」「バッテリーの劣化を防ぐことを意識する」という2点が案内されていました。
これは、翌年に改めて使用する際にハンディファンを良好な状態に保っておくことを重要視した内容となっています。
そのため、今使用しているハンディファンの状態によっては危険性が高くなってしまう可能性もあり、非常に注意が必要です。
良質な状態となる場合
今年新たに購入したハンディファンなどの場合には、テレビの案内にもあった通りバッテリーを8割程度充電した状態のまま保管をすることが重要です。
これは、使用しない状態のままでも充電が失われていくことを想定しているものとなり、充電切れを起こしたままの状態で保管されることによるバッテリーの劣化を防ぐことが目的となっています。
さほど難しいことではありませんが、充電を使い切った状態のまま保管さえしなければ、良好な状態のまま翌年も使用することが可能となるため、正しい案内と言えるでしょう。
ある程度使用している状態の場合
購入してから既に2シーズン使用しており翌年が3シーズン目ということであれば、やや注意が必要となってきます。
基本的には、新品製品を購入した場合と同じような保管対応で問題ありませんが、場合によっては既にバッテリーが劣化してしまっている場合も考えられます。
すると、充電量が少なく早めにバッテリーが劣化してしまうことが考えられるため、翌年に使用してみようと動かした際に発火や爆発が起きる可能性もあります。
そのため、一旦は充電しておけば大丈夫と安易に考えずに、翌年の使用時のタイミングでの状態を見極める必要もある為、保管をするのではなくその時点で処分を検討する必要もあるでしょう。
再使用時に事故に繋がる可能性があるのであれば、それを考慮して対応しなければならないということが満足に案内されていない状況があるでしょう。
そろそろ処分が考えられる状態の場合
このような状態が懸念される場合には、まっ先に処分を考えて行動しなければなりません。
まず、この状態のハンディファンはバッテリーが著しく劣化しているものと考えられます。つまり、起動時に発火や爆発が起きてしまう可能性が非常に高いです。
バッテリーが劣化して膨張しているような状態の場合には、いつ事故が起きてもおかしくはない状態です。そのため、改めて充電するような行為は厳禁です。
つまり、バッテリーの劣化が進行してしまっているような製品であれば、振動や衝撃を与えないように慎重に保管しておくくらいしか行える対応はなく、基本的に処分を優先しなければなりません。
バッテリーの劣化のメカニズムを知ろう
まず、リチウムイオン電池については、使用しない状態が続くと徐々に充電が失われていきます。そして、充電が失われた状態のバッテリーは劣化が進み、内部で水素などが発生することで膨張に繋がります。
そのため、可能な限り普段通りに使用し続けていくことが重要となり、充電(電力)を維持していくことが必要となります。
ハンディファンのような使用時期が限られる製品となる場合には、保管時期が非常に長く再利用機会も多いものとなってしまうため、いつの間にか危険な状態のバッテリーを酷使してしまうような状況になることが考えられます。
充電量の変化に注意
特に気を付けなければならないことは、バッテリーの劣化による充電量の変化です。
保管と使用を続ける状態の製品は、翌年の再使用時にはバッテリーは劣化していることが多いです。すると、充電量自体が減ってしまっている場合があります。
その状態で、また保管時期が来ると保管中に充電が使い切られてしまう状況が発生しやすくなってしまうため、いつの間にかバッテリーの劣化を加速させてしまう悪循環に陥ってしまうのです。
つまり、保管と再使用を3年ほど続けていれば十分にバッテリーは劣化している状態になってしまい、再使用時にはバッテリーが膨張しているなどの状態にも繋がってしまうのです。
使用し続ける案内も間違いではない
多くの方が使用しているスマートフォン製品などの見ると分かりますが、長ければ4~5年ほど使用し続けることができる場合も多いです。これは通年、十分な充電を続けていることによりバッテリーの劣化があまり起きていない状況となる為です。
つまり、同じようにハンディファンも通年使用することができれば何も問題はありませんが、製品の特性上それは難しいものになるでしょう。冬場には使用する機会も無いため、やはり未使用の時期が発生してしまいます。
バッテリー部分がモバイルバッテリーとして代用できるようなものであれば管理もしやすい面がありますが、そのような製品ばかりではないため、管理も簡単ではないでしょう。
最も重要なこと
「バッテリーの劣化が疑われる」「既にバッテリーが劣化している」状態の製品を充電しようとする行為は非常に危険です。充電が完了した後に電源を入れて起動させた瞬間に、発火や爆発が起きる危険性があります。そのため、少しでも不安を抱く状態となる場合には、使用せずに安全に保管しながら処分を検討しましょう。
また、保管状況についても注意が必要です。冬場は寒さの影響で自然とバッテリーが減少しやすい状況になってしまうため、想像以上にバッテリーの劣化が進行しやすい条件が揃っています。そのため、極端に寒い部屋などでの保管は望ましくないでしょう。
逆に、気温が高い夏場の保管も注意が必要です。夏場は冬場とは違い劣化の動きが活発になりやすいため、膨張などの動きが加速してしまいます。そのため、事故自体が起きやすい状況になります。つまり、夏場に使用することのないリチウムイオン電池製品は、保管をせずに速やかに処分を進めた方が無難です。
まとめ
ハンディファンなどのリチウムイオン電池を用いた製品の場合、使用せずに保管を続ける期間があるものの場合には、バッテリーの劣化具合を意識して保管・管理をしていくことが必要となります。
夏場の時期だけの使用に限られる場合には、秋~春にかけて徐々に劣化が進行して行くことにもなるため、バッテリーの持ちが減ってきている場合には、劣化が進行していることを意識しましょう。
バッテリーが劣化して膨張をしている場合には、即時処分を検討してください。その際も、衝撃や振動を与えないように安全に保管をしておきましょう。
何も考えずに使用をし続けていき事故に繋がってしまうようなことがあっては危険です。昨今では自宅等での火災事故も起きているため、保管し続けたまま放置するようなこともないように注意しましょう。